量産を見据えたシャフトの開発段階で考慮すべきポイント
シャフトの量産加工では、開発段階から量産を見据えた設計や加工条件の最適化など様々な考慮すべき点があります。本記事では、量産前の開発段階で押さえるべきポイントなどについてご紹介します。
開発段階のポイント
量産前提のシャフトでは、開発段階から仕様の方向性を明確化する必要があります。シャフトの形状や熱処理条件は後工程に大きな影響を与えるため、初期段階での調整が最終的な量産品の精度に直結します。
そのため、仕様上の変更余地を把握し、要求品質と加工側の製造条件を擦り合わせる必要があります。擦り合わせることで、量産移行後の不具合リスクを低減し、加工品質を向上することができます。
以下に、シャフトの量産品の試作加工の開発段階でできるご提案の例についてご紹介します。
開発段階でできるご提案例
モーターの性能を高めるための評価に必要なモーターシャフトを提供
シャフトの中でも、モーター用シャフトの試作の場合、お客様が求める回転精度や強度に応じた適切な仕様を設計段階から提案し、求められる性能を満たした試作品の製造を行う必要があります。
手順として、まず図面通りかつ公差の中心を狙った精度の高い製品を作成し、工程能力がどこまで得られるかを把握します。
そのうえで、試作段階で把握した性能の裏付けとなるデータを収集し、お客様に開示することによって、精度の高い量産品の加工ができることを開発段階で提案することが重要になります。
ネッキング形状の提案
ネッキング形状とは、「軸の一部分を意図的に細く加工する形状」のことであり、応力制御や組付け性向上のために用いられる加工方法です。
例えば、識別溝などの形状の加工に対して、ネッキング形状を採用することで、一つのツールで工具交換を行わずに加工段取りの簡略化やコストダウン、サイクルタイムの削減などが可能です。
熱処理の変化量を検証することで量産仕様・条件の決定
シャフトの量産加工では、熱処理による寸法変化を検証することが非常に重要になります。熱処理後の歪みはシャフト性能に大きな影響を与えるため、量産前の試作段階で熱処理により変化量を正確に把握する必要があります。
また、熱処理条件の僅かな違いで特性が大きく変わるため、適切な温度管理と冷却条件の検証を行うことによって、試作段階で量産時の仕様を確立し、高精度なシャフト加工を短納期で加工することが可能です。
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今回は、量産を見据えたシャフトの試作加工のポイントについてご紹介しました。
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