モーターシャフトの精度管理の種類とポイント
モーターシャフトは、電動モーターの出力を回転運動に伝えるために用いられるシャフト部品です。自動車部品や産業機械など幅広い用途に使用され、単に回転運動を伝えるだけでなく、高速回転時の振動抑制や静粛性も求められます。
そのため、モーターシャフトの加工は、設計通りの寸法精度はもちろん、シャフトの表面粗さや真直性、同軸性といった要素が重要視されます。これらの公差が不適切だと、軸受け部分に過度な負荷がかかり、異音や振動などのトラブルにつながる可能性があります。
そこで本記事では、モーターシャフト精度管理の種類とポイントについてご紹介します。

モーターシャフトにおける公差管理の種類
真直度
真直度はモーターシャフトの基準直線からの狂いの大きさを示す指標です。真直性の狂いは、高速回転時に大きな振動を引き起こす原因となり、ベアリングや他の回転部品の摩耗を加速させます。
同軸度
同軸度は、モーターシャフトの複数の外径部が同一中心軸上にあるかを示す指標で、同軸度のズレはベアリングの精度や軸受け部の摩耗寿命に直結します。シャフトの加工時は、NC旋盤、研削盤を用いた加工で同軸度を確保します。
組付け性
モーターシャフトは、ギアやプーリー、ローターなど他部品と圧入や焼き嵌め、キー締結されるため、各部位の寸法公差管理が重要です。組付け性の精度は、組付け時の挿入性や回転強度に影響します。
寸法公差管理
モーターシャフトは回転体の中心となる重要な部品であり、設計通りの寸法で加工されて初めて、各部品との正確な組み合わせが可能になります。そのため、粗加工・中仕上げ・研削加工といった各工程において、高い精度で寸法公差管理を徹底する必要があります。寸法管理が不十分な場合、他部品との嵌合不良、回転数異常、過剰な振動が発生し、最悪、モーターの破損が起きる可能性もあります。
表面粗さ
摩耗の抑制や潤滑油保持性の確保のためには、表面粗さ管理も重要になります。特に接触部分やシール部では、表面粗さが粗いと相手部品の摩耗などの原因となることで異音などのトラブルの発生につながります。
当社のモーターシャフトの公差管理のポイント
モーターシャフト加工における真直度・同軸度・組付け性といった公差管理では、加工工程全体での精度確保が重要なポイントになります。旋盤加工では、研削に必要な取り代の管理、切削条件や刃具の摩耗管理を徹底し、研削加工に必要な精度を保証することが重要になります。
また研削加工では、最適な砥石材質の選定やNCによるドレス成形精度、研削液の温度と濾過精度の管理を徹底することでモーターシャフトの公差管理を行っています。
当社のモーターシャフト加工事例
モーターシャフト
通常、モーターシャフトの加工では、旋盤加工後に歪み取りやバリ取りの工程を追加し、その後に研削加工を行います。しかし当社では、工程の簡略化を図るため、加工条件を工夫しています。
具体的には、旋盤加工時に研削取り代を適切に管理することで、加工時の歪みを抑え、同時にバリの発生も抑制しています。この取り組みにより、外径精度・同軸度・真直度といった厳しい品質基準を確保しています。
モーターシャフトの加工なら特注シャフト・スリーブ加工.comにお任せください。
今回はモーターシャフトの公差管理の種類とポイントについてご紹介しました。
特注シャフト・スリーブ加工.comを運営する株式会社協和製作所では、Tier0・Tier1メーカーとの直接取引で培った高い生産技術力を活かして、高品質のシャフトの加工実績が多くございます。
モーターシャフトの加工に関してお困りの方は、是非当社にご相談ください。