技術コラム

長尺シャフトの歪みの原因と対策

長尺シャフトは一般的に全長が約300mm以上のシャフトを指します。長尺シャフトは、モーターや回転体、各種設備機器の動力伝達や回転運動の軸受けなどに用いられますが、その長さゆえに加工時にたわみや振動が発生しやすく、特に歪みの発生が大きな課題となります。
本記事では、長尺シャフトに歪みが生じる主な原因と、その対策方法についてご紹介いたします。

長尺シャフトの歪みの原因:材料の残留応力と応力開放

コイル材を引き抜いてまっすぐにする際、元に戻ろうとする引張応力と圧縮応力が材料には残っています。これらを合わせて「残留応力」と呼びます。この残留応力が、切削加工で材料に熱や力が加わることによって解放され、歪みが発生することがあります。

長尺シャフトの歪みの対策

材料の状態から管理を徹底

長尺シャフトの歪みを最小限に抑えるためには、まず材料そのものの管理が重要です。材料の保管状態から製造元との連携による精度管理を徹底することで歪みの発生を抑えることができます。もし材料に歪みがあると、複数回の研削加工が必要になり、加工工程が増えるだけでなく、納期やコストの面でも影響を及ぼします。

 

研削加工で歪みの抑制

研削加工は長尺シャフトの精度を高めるために重要な工程ですが、研削中の温度変化や不均一な削り方が歪みを引き起こすことがあるため、取り代、砥石のドレス、そして砥石の材質などの加工条件を最適化することで歪みの発生を抑制します。

 

歪み取り

加工時に歪みが発生した場合は、歪み取りの工程が不可欠です。当社では、自動測定器を使用して全数確認し、規格外の歪みがあった場合には手動または機械で修正します。歪みが改善された後も、再度自動測定器を使って検査を行い、品質を保証します。

当社の長尺シャフト加工事例

長尺シャフト

こちらは全長485mmの長尺シャフトです。材料の歩留まりを向上させるために、長尺材ではなく切断材を使用しています。切断には丸鋸ではなくシャー切断を採用し、これにより加工時間を大幅に短縮しています。外径φ8、全長485mmの長尺シャフトにおいて、振れ精度8μ以下を実現するために、専用にカスタマイズした砥石を使用し、品質の安定性を確保しています。

 

>>加工時事例の詳細はこちら

 

長尺シャフトの加工なら特注シャフト・スリーブ加工.comにお任せください!

いかがでしたでしょうか。今回は長尺シャフトの歪み防止対策についてご紹介しました。特注シャフト・スリーブ加工.comを運営する株式会社協和製作所では、長尺シャフトの多くの加工実績がございますので、お困りの方はお気軽にご相談ください。

 

>>お問い合わせはこちら

関連情報

お問い合わせ・ご相談は、お電話
またはメールフォームより承ります。

TEL052-892-1251営業時間:平日 8:00~17:00
FAX052-892-1630
ご相談・お問い合わせ
ページトップへスクロール