シャフト加工における自動盤加工先の選定ポイント
本記事では、シャフト加工における自動盤加工先の選定ポイントについてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
自動盤とは
自動盤は、棒材を連続的に送り出しながら、自動で切削や穴あけなどの加工を行う工作機械の一種です.。特にシャフトなどの回転対称形状の部品加工において、加工効率や精度の安定性を高めることができます。
中でもCNC自動旋盤は、複数の工具を切り替えながら、素材の回転や工具の送り、角度調整などをコンピュータで制御することが可能です。
これにより、従来の汎用旋盤と比べて複数の加工工程を同時に、かつ短時間で処理でき、素材の供給から加工、完成品の排出までを自動化できるため、人手を大幅に削減し、生産性向上に貢献します。
自動盤加工先の選定ポイント
以下に、自動盤加工先の選定ポイントについてご紹介します。
技術力と実績の有無
シャフト加工において最も重要なのは加工精度です。自動盤を活用する加工先が、どの程度の精度で加工できるかを確認することは非常に重要です。
特に複雑形状や難形状のシャフトでは、加工ノウハウが不足していると、寸法不良や仕上げ面の粗さなどの問題が発生するため、過去の加工事例や取引実績を確認したうえでを選定する必要があります。
品質管理体制
シャフトは回転運動を伝達する重要な部品であり、少しの誤差も最終製品の性能に影響を及ぼします。そのため、品質管理体制も重要な指標です。
品質管理体制には、検査設備や検査手順が含まれ、三次元測定機や表面粗さ測定機などを活用して、出荷前に検査を行う加工先であれば、安定した品質が期待できます。
コスト削減・リードタイム短縮につながる提案力
シャフト加工において、単に図面通りに加工するだけでなく、VA・VE提案ができる加工先を選ぶことも重要です。
素材選定や加工方法の工夫により、同等品質でコストを抑えることが可能になるだけでなく、設計段階で加工先から提案を受けることで、無駄な工程を省略し、リードタイム短縮にもつながります。
緊急時の対応力と柔軟性
試作品の段階から、量産を見据えた自動盤加工が可能な加工先を選ぶことで、量産移行時のトラブルを未然に防ぐことができます。
特に試作段階では設計変更が頻繁に発生することもあるため、短納期で仕様変更の対応力が求められます。また、量産移行時にはロット数を段階的に増やすケースが多く、その際に柔軟に生産調整できる加工先を選定する必要があります。
当社の自動盤によるシャフト加工事例
モーターシャフト
こちらはモーターシャフトの加工事例です。
一般的に、モーターシャフトの製造では、旋盤加工後に別工程で歪み取りやバリ取りを行い、その後に研削加工を実施するのが通常です。しかし当社では、これらの工程を省略するために加工条件を工夫しています。具体的には、旋盤加工時に研削取り代を適切に管理し、加工中に発生する歪みを抑えると同時にバリを除去しています。この工夫により、外径精度や同軸度、真直度といった厳しい品質要求を一貫して満たすことが可能となっています。
さらに、当社では本製品を含む3種類のモーターシャフトを、1台の研削盤で仕上げ加工しています。プログラムを切り替えるだけで段取り替えが完了するため、小ロット生産であっても効率的に加工が行え、円筒研磨と比較して生産性を高めることができます。
スプラインシャフト
こちらはスプラインシャフトの加工事例です。
当初は、ブローチ加工やスプライン加工の工程でバリが発生しやすい形状でした。そのため、当社ではVE提案を行い、バリが出にくい形状へと設計変更をサポートしました。これにより、バリ取り作業の工数削減や工具寿命の延長を実現し、最終的には大幅なコストダウンにつなげています。
さらに、焼き入れやメッキ処理による寸法変化に対しては、表面処理業と連携しながら最適な条件を検討し、安定した高品質を維持できる体制を構築しています。
加えて、当社ではホブ盤を自社で保有しており、生産数量に応じて高精度かつ低コストな加工方法をご提案することが可能です。これにより、多様なニーズに柔軟に対応し、お客様の満足度向上に貢献しています。
シャフト加工なら特注シャフト・スリーブ加工.comにお任せください
今回はシャフト加工における自動盤加工先の選定ポイントについてご紹介しました。
特注シャフト・スリーブ加工.comを運営する株式会社協和製作所では、CNC自動旋盤を複数台保有しており、高精度なシャフトの量産加工に短納期で対応いたします。
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