技術コラム

安定供給かつ高精度を実現する当社のシャフトの量産加工

シャフトは回転運動やトルクの伝達、位置の保持などを行うための軸の役割を担う部品です。特注シャフトスリーブ加工.comでは、シャフトの安定した量産生産を行うために、材料選定をはじめ、ワークの寸法精度や品質管理など、各加工工程で押さえるべきポイントに関する経験や知識を有しております。

本記事では、シャフト加工の流れを抑えつつ、安定的かつ高精度にシャフトの量産加工をするためのポイントをご紹介します。

シャフト加工の基本的な流れ

シャフト加工の流れとして、まず、設計情報の確認から加工対象の形状や材質を特定し、適正な加工手順を策定いたします。次に、加工設備の選定を行い、NC旋盤や研削盤などを用いた加工を経て検査工程へと進みます。最後に品質確認を行い、納期・数量に応じた形で納品いたします。

各工程での品質管理が重要であり、それぞれの段階で課題の洗い出しと改善を積み重ねることが高精度かつ安定供給の実現には不可欠です。以下に、シャフトの加工工程の中で量産加工におけるポイントをご紹介します。

高精度かつ安定供給の量産対応における当社のポイント

ポイント① 試作段階で課題を整理する(工程構想に活かす)

シャフト加工の量産を安定的に行うためには、初期段階での試作工程が重要になります。試作を通じて加工条件や品質の確認を行い、工程内に潜むリスクを抽出します。これにより、量産時のトラブルを未然に防ぐことができます。

当社は、試作専用のCNC自動旋盤、研削盤を保有しており、加工条件や工程等を見直しながら量産を見据えた試作を行うことができます。

 

ポイント②適正な材料の選定

シャフト加工に限らず、使用する材料の選定は、製品の品質や耐久性に直結する重要な要素となります。例えば、高トルクに耐えるシャフトには高硬度な材質が求められますが、単に強度が高いだけでなく、加工性とのバランスも考慮する必要があります。適切な材料を選定することで、切削性や工具寿命が向上し、結果として生産性の向上とコスト削減につながります。当社では材質選定の段階からご相談いただき、使用条件に最適な素材を提案することができます。

 

ポイント③ 工程FMEAの実施

当社では、量産前に工程FMEAを実施しております。このプロセスでは、加工工程に潜むリスクを洗い出し、それぞれのリスクに対する対策を事前に構築しておくことで、トラブルの発生を防止いたします。当社では、切削条件の変動や工具の摩耗による品質低下などに対し、工程内での監視体制を強化しております。

 

ポイント④ 工程構想:専用機と汎用機を使い分けた最適な工程の決定

当社では、シャフトの形状や生産量に応じて、専用機と汎用機を適切に使い分けております。これにより、初期投資を抑えつつ高い生産効率を確保し、コスト最適化にも貢献しております。専用機を活用した高精度加工と、汎用機による多品種対応の柔軟性を兼ね備えた工程設計を行っております。

 

ポイント⑤ 生産リードタイムに応じた適正在庫の管理

量産では素材の安定供給が重要な指標になります。そのため、当社では過去の生産実績や受注数量を基に、リードタイム、生産能力に応じた適正在庫の管理を徹底し、受注変動に対して柔軟な対応をしております。

 

ポイント⑥ 協力企業の選定

当社では、表面処理や熱処理などの後工程で協力企業を厳選しております。品質管理体制や納期対応力などで最適な外注先を選定することで、リードタイム短縮と品質の確保を実現しております。

当社のシャフト加工事例をご紹介

モーターシャフト

こちらはモーター用シャフトの加工事例です。

一般的にモーターシャフトの加工工程では、旋盤加工の後に歪み取りやバリ取りを行い、その後で研削加工に進むのが一般的です。しかし当社では、これらの中間工程を省略するために、旋盤加工時の条件を工夫しております。具体的には、研削工程での仕上げ代を適切に管理し、旋盤段階で歪みの発生を抑制すると同時にバリを最小限に抑える加工を行っています。これにより、外径の精度はもちろん、同軸度や真直度といった高精度な品質要求にも十分対応できています。

さらに本製品を含む3種類のモーターシャフトについては、1台の研削盤を活用して仕上げ加工を実施しております。製品ごとにプログラムを切り替えるだけで段取りが可能なため、小ロットの加工でも高効率かつ安定した品質で対応できます。

 

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段付きシャフト

こちらは自動車部品として使用される段付きシャフトの加工事例です。

従来、複合旋盤での一貫加工には約8分を要していましたが、当社では各工程を分割しライン化することで、全工程をわずか15秒で完了する体制を構築しております。

まず、中央部にある2箇所のDカット加工について、通常のエンドミル加工では約80秒かかるところ、ブローチ加工に切り替え、1ストロークで完了させることで15秒に短縮しております。次に、両端のHカットおよびIカットも、エンドミルによる通常加工であれば100秒を要しますが、同様にブローチ加工を活用することで、こちらも15秒で完了しております。

また、シャフトには4か所のタップ加工が施されていますが、当社ではインデックス方式の専用機を用いて、これらを同時に加工することで、加工時間の短縮と工程の安定化を実現しています。仕上げとなる研削工程についても工夫しております。インフィード方式の研削盤を用い、1チャックで2個取りを可能にすることで、サイクルタイムを従来の半分に短縮しています。

 

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スプラインシャフト

スプラインシャフト 

こちらはスプラインシャフトの加工事例です。

当初の設計では、ブローチ加工やスプライン加工時にバリが発生しやすく、後工程での手間や工具の摩耗が課題となっていました。そこで当社では、バリの発生を抑制できる形状へのVE提案を実施し、バリ取り作業の削減や工具寿命の延長を実現することで、トータルコストの低減に貢献しています。

 

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シャフトの量産加工なら特注シャフト・スリーブ加工.comにお任せください。

いかがでしたでしょうか。

今回はシャフトの量産加工についてご紹介しました。特注シャフト・スリーブ加工.comを運営する株式会社協和製作所では、最大500mmまでのシャフトを月産1,000個からの量産加工に対応いたします。お困りの方はお気軽にご相談ください。

 

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